徹底解説!華族に叙爵した爵位の順番【日本編】

日本史
この記事は約5分で読めます。

みなさん、いかがお過ごしだったでしょうか。

どうも、歴史会議(@rekishikaigi)です。

皆さん、明けましておめでとうございます。

2021年、一番最初の記事となります。

よくドラマで、こんなセリフを言われるのを聞き覚えないですか?

「旧伯爵家●●●の●●●です。」

そうです。実は日本にも華族制度は存在していました。

大多数の人は、漫画やアニメの中だけの話だと思っていたかもしれません。

今回は、華やかな未知な世界である華族制度についてお話をしていきたいと思います。

では、一緒に素敵なタイムトラベルの旅へ

爵位の誕生

1869年(明治2年)

日本に、西欧列強を模した爵位が誕生しました。

江戸城無血開城があり、江戸幕府が終焉した翌年の話です。

全国の藩が所有していた土地(版)と人民(籍)を朝廷に返還する『版籍奉還』が勅許された日と同じ日に、太政官達54号「公卿諸侯ノ称ヲ廃シ華族ト改ム」が発布され、華族が誕生しました。

内訳は、

  • 公家 ー 137家
  • 諸侯 ー 270家
  • 明治維新後に公家となった家 ー 5家
  • 維新後に諸侯となった家 ー 15家

合計427家です。

なんだかめちゃくちゃ多いですね。

1884年(明治17年)

華族になる人が増えたため、華族令(明治17年宮内省達)が制定されました。

華族令2条に世襲制の公侯伯子男の五等爵を導入することが明記されていました。

ここに五等爵制度が始まりました。

爵位の順番

爵位を叙爵した計427家すべてが同じ爵位であったわけではありません。

日本の爵位は5つに分かれていました。

  • 公爵
  • 侯爵
  • 伯爵
  • 子爵
  • 男爵

たぶんすべての爵位を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

では、順番に説明をしていきます。

爵位は全部で5つあるので、五爵といいます。

公爵

五爵の中で順番・序列は第1位です。

公爵を叙爵された家系は4つありました。

  1. 皇族(実際に臣籍降下して公爵になった皇族はいません。)
  2. 公家 – 旧五摂家
  3. 武家 – 徳川宗家(徳川将軍家)
  4. 勲功者 – 国家に偉勲のある者

特典としては、満30歳になると自動的に終身貴族院議員になれ、家を守るための家門永続資金が支給されていました。

貴族院については、いずれお話をしたいと思っています。

侯爵

五爵の中で順番・序列は第2位です。

侯爵を叙爵された家系は5つありました。

  1. 皇族
  2. 公家 – 旧清華家
  3. 武家 – 旧御三家と旧大藩知事
  4. 旧琉球藩王家 – 尚家
  5. 勲功者 – 国家に偉勲のある者(維新三傑など)

特典としては、満30歳になると自動的に終身貴族院議員になれ、名誉と栄誉が与えられました。

金銭面は、他の爵位よりも酷く、家門永続資金や貴族院議員歳費が一文も支給されませんでした。

はっきり言って伯爵以下の方が待遇が良かったです。

伯爵

五爵の中で順番・序列は第3位です。

伯爵を叙爵された家系は6つありました。

  1. 皇族
  2. 公家
  3. 武家 – 旧御三卿と旧中藩知事
  4. 僧侶 – 世襲門跡家(本願寺大谷家)
  5. 新華族 – 勲功者
  6. 朝鮮貴族

特典としては、満25歳(後に30歳へと改正)になると貴族院議員となることができました。

しかし、伯爵同士の選挙で勝つことが必要でした。

子爵

五爵の中で順番・序列は第4位です。

子爵を叙爵された家系は4つありました。

  1. 公家 – 明治維新前に家を興した旧堂上家
  2. 武家 – 旧小藩知事
  3. 新華族 – 勲功者
  4. 分家華族 – 本家が高い爵位を叙爵されている分家華族

特典としては、伯爵と同じです。

では、伯爵とどこが違うのでしょうか。

それは、男爵に分類される家と伯爵に分類される家からあぶれた家が該当していることです。

それに加えて、子爵から皇族がいなくなりました。

男爵

五爵の中で順番・序列は第5位です。

男爵を叙爵された家系は5つありました。

  1. 公家
  2. 武家
  3. 神職・僧職 – 各地の神職・僧職から古い家柄のものが選ばれました。
  4. 新華族 – 勲功者(政治家・官僚・軍人・財閥など)
  5. 旧南朝の功臣

特典としては、伯爵・子爵と同様です。

では、違いはどこにあるのでしょうか。

それは、子爵までが家柄の良し悪しで選ばれていました。

しかし、男爵は家柄ではなく個人の努力や功労に対して叙爵していました。

したがって、高貴な人というより、上級紳士という扱いだったようです。

実際に、イギリスでも功労者や成功者に「男爵(バロン)」の称号を与えていますよね。

スポンサーリンク

まとめ

では、今回の記事をまとめてみましょう。

爵位は高い順から

  1. 公爵
  2. 侯爵
  3. 伯爵
  4. 子爵
  5. 男爵

となります。

公爵が一番待遇が良くて、侯爵が一番待遇が酷いです。

そして、伯爵までに皇族がいて子爵から皇族が消えます

最後に、男爵は名誉称号としての側面が強い爵位でした。

以上、日本の爵位の順番をご紹介しました。

機会があれば、各爵位について詳しくお話していきたいと思います。

今回のタイムトラベルの旅は終了です。

では、また一緒にタイムトラベルの旅に出ましょう。

歴史会議

世界中の「あらゆる歴史」を収集・分析・整理し、どこよりも分かりやすく発信している歴史専門のメディアサイトです。特技は、食について語るときに饒舌になることです。

歴史会議をフォローする
日本史

歴史会議をフォローする
タイトルとURLをコピーしました