伯爵の地位と階級について

日本史
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華族シリーズ第4弾となる今回取り扱う題材は、『伯爵』となります。

伯爵からは少しグレードが落ちてきますが、楽しんでください。

徹底解説!華族に叙爵した爵位の順番【日本編】
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伯爵とは?

五等爵の3番目の爵位ですが、他の爵位と違うところは『古さです。

その代表的な話が、『伯爵』という称号が欧州で最も古い爵位であり、伯爵を叙爵され兼任した国王や貴族がいました。

また、元デンマークに居住していたノルマン人の一派である「デーン人」が、『伯爵』という称号を使用していたという歴史もあります。

貴族院議員

爵位を持っている人は、貴族院議員となることができました。

例えば、公爵・侯爵は無選挙・無給・終身であるのに対して、伯爵以下が互選・有給・任期7年となっていました。

つまり、伯爵は選挙で勝ち抜かなければ、議員となることができませんでした。

担当する役職

毎年1月の歌会始の儀の読師

歌会始とは、和歌を披露し合う「歌会」で、その年の始めに行うものを言います。

そこで和歌を読む読師を担当できたのが伯爵以上の人のみです。

宮中女官

近代前は、平堂上家の娘が務めていましたが、明治以後は平堂上家に相当する家格であった伯爵家・子爵家だったため伯爵以下の家格の娘が務めていました。

平堂上家(ひらとうしょうけ)とは、摂家・清華・大臣家や羽林家・名家などの家格のもの

伯爵になれる条件

皇族

叙爵内規では、皇族が臣籍降下したときに与えられる爵位は公爵となっているのですが、実際に与えられた爵位は侯爵または伯爵でした。

時期によって違うのですが、皇室典範制定前は伯爵が与えられ、皇室典範制定後は侯爵が与えられていました。

公家

叙爵内規では、以下の場合に伯爵が叙爵されていました。

  • 旧大臣家三家
  • 四位より参議に任じ大納言迄直任の旧堂上二十二家
  • 三位より参議に任ずといえども大納言迄直任の旧堂上三家
  • 大納言までの直任の例は少ないが従一位に叙せられたことのある二家
直任とは、中納言からそのまま大納言に任命されることをいいます。
公家社会では、中納言をやめて大納言に任命されるより格上の扱いをされていました。

武家

叙爵内規上は、現米が5万石以上の徳川旧御三卿と旧中藩知事に伯爵が叙爵されていました。

現米とは、現に藩が徴収した米の量のことです。1869(明治2年)2月15日の行政官の沙汰で、各藩は政府に現米を申告するようになりました。
これに基づき、1870(明治3年)に太政官が現米15万石以上を大藩・5万石以上を中藩・それ未満を小藩と分類することにしました。

僧侶

叙爵内規では、特別な定めは無いので勲功者として伯爵になっていました。

勲功者

叙爵内規では、他の爵位と同様に勲功者に爵位を与えていました。

朝鮮貴族

朝鮮貴族の爵位は、家柄に対してではなく日韓併合における勲功に対して与えられたものでした。

こうした勲功を上げることができたのは、大臣級の政治家や軍人だった者だけだったので、朝鮮王朝の最上位貴族階級のみでした。

朝鮮貴族とは、1910(明治43)年の朝鮮貴族令の施行により、華族に準じた朝鮮貴族の制度が設けられた。
朝鮮貴族にも華族と同様の五等爵制度でしたが、貴族院議員になる特権が存在していませんでした。
また、朝鮮貴族の公爵に叙された者は現れなかったので、実質的な最上位爵位は侯爵でした。
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伯爵となった一族

伯爵になった一族は多数いるため、全部をご紹介するのは困難です。
そのため、知っていて欲しい家名をピックアップしてご紹介していきたいと思います。
また、代表者名には、その家で有名な人をご紹介します。
家名 代表者名
伏見家 伏見博英
上野家 上野正雄
二荒家 二荒芳之
東伏見家 東伏見邦英
嵯峨家 嵯峨浩
冷泉家 冷泉為村
烏丸家 烏丸光広
壬生家 壬生基修
清水徳川家 徳川昭武
田安徳川家 徳川達孝
一橋徳川家 徳川慶喜
阿部家 阿倍仲麻呂
井伊家 井伊直弼
伊達家 伊達政宗
亀井家 亀井静香
島津家 島津斉彬
大谷家 大谷光尊
板垣家 板垣退助
勝家 勝海舟
黒田家 黒田清隆
後藤象二郎家 後藤象二郎
土方家 土方久元
後藤新平家 後藤新平
朝鮮貴族 李址鎔
朝鮮貴族 閔泳璘
朝鮮貴族 李完用

まとめ

伯爵とは、華族制度の中で序列第3位に位置する爵位です。

公爵と侯爵は貴族院議員になることができましたが、伯爵からは貴族院議員になるためには選挙で当選しなければなりません。

爵位という称号があるだけで、他は一般人と大差ない肩書のような感じがしてなりません。

しかし、一度は旧伯爵家の●●という風に自己紹介してみたかったです。

では、今回はこのあたりで終わりたいと思います。

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